こんにちはー。
今日もお疲れ様です。
先日、家族でまたまた人気が少ないところにお出掛けしてきました。
今回も脈絡なく思い出写真をUPしながらお話ししたいと思います。
今回は「中学卒業後の進路をどうするか?」のお話しです。
これまで同様の記事を書いてきましたが、
中学卒業後の進路について一年生のうちから少しずつ検討している我が家。
2020年度の秋は「軽度知的障がい児対象インクルージブ教育推進系公立高校普通科」と「軽度知的障がい児対象の公立養護学校分教室」の説明会に参加しました。
それに引き続くように、冬は「私立の技能連携校」の体験・説明会にも行ってきました。
「技能連携校って何?」「聞いたことない」
って人もいらっしゃるかと思います。
早速アレやコレやお話したいところではありますが、まず最初に一言で言うならば
技能連携校とは通信制高校に同時在籍しながら通う学校であるということです。
そこで本題から逸れますが、先ずは通信制高校についてからお話ししたいと思います。
技能連携校を説明するならまずは通信制高校についてお話せねば!
高卒資格を取得するには、三年以上高校に在籍した上で
最低でも普通科目の74単位を取得する必要があります。
学校においては、卒業までに修得させる単位数を定め、校長は、当該単位数を修得した者で、特別活動の成果がその目標からみて満足できると認められるものについて、高等学校の全課程の修了を認定するものとする。この場合、卒業までに修得させる単位数は、74単位以上とする。
高等学校の卒業に関する法令より引用
通信制高校でもこの条件は変わりません。
通信制高校のみ在籍する形で、卒業に必要な単位を修得するためには、
①テストを受ける
②定められたレポートを提出する
③スクーリングに参加する
等をする必要があります
通信制高校は、登校日数を選択できる学校が多く
自分のペースで学習できるという特徴があります。
その反面、全日制高校や定時制高校に比べて卒業率が低いという課題もあります。
卒業率の低さの理由には、自由さと表裏一体の
自己責任性にあると考えられます。
というのも、通学がほとんど必要ないと言えども
上記「普通科目74単位以上取得」という卒業要件は当然変わらずあるわけです。
時に励まし時に叱って単位取得までを支えてくれる先生はいない、切磋琢磨し合える同級生もいないという環境の中で、
高校生活の自己管理は当然難しくなるでしょう。
また、通信制高校進学を選ぶ理由も多種多様です。
学業の傍らで就業している人もいれば、スポーツや芸能活動に専念している人もいます。
なかには病気や障がいを抱えている人もいるわけです。
○ このように、通信制高等学校の生徒の全体的な特徴として、勤労青年が減少する一方で、不登校や中途退学経験者、特別な支援を要する生徒、経済的な困難を抱える生徒など、全日制・定時制課程で学ぶことが難しい、多様な課題を抱えた生徒が集中している。
○ なお、通信制高等学校には、このような生徒に加えて、日常的な通学を要さず、学習時間や時期、方法等を自ら選択して自分のペースで学べるという特長を生かして、海外に在住しながら我が国の高等学校教育を受けることを希望する生徒や、特定の職業分野等に関する知識・技能等を重点的に学ぶことを希望する生徒、スポーツや文化活動、芸能活動等に特に力を入れている生徒の受け皿ともなっている。http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/4475/00271229/situnokakuho_matome_2210.pdf
彼らの高校生活を「どのように支えるか」は、学校のみならず社会においても大きな課題です。
ネット上で「障がい児」「通信制高校」と検索すると
「障がいがあっても通信制高校なら安心!」みたいなサイトにたくさんヒットします。
しかし2011年の山梨大学教育研究開発センターの、
通信制高校の教員数が全日制・定時制に比べて少ないことについて
「学習障害その他の発達特性のある生徒が多数在籍するようになっているという通信制高校の現状に対応したものとは見なしえない。」
という指摘をを見ても、
実態はそんなに良いものではないのでしょう。
そんなこんながあり、通信制高校と同時在籍し卒業を目指す
サポート校または技能連携校が近年さらに注目されるようになりました。
サポート校とは
サポート校は個人の日常的な学習に役立つように教科・科目学習のための講義、添削課題(レポート)の指導などの活動を行っている。
学習塾の延長のようなサポート校もあるが、学校における教科以外の事柄も含む教育活動・学習活動も行い、外見的には、きわめて一般的な高等学校に近い雰囲気を持っているサポート校もある。
高等学校に近い雰囲気をもつサポート校は高等学校の「全日制の課程」(通常の課程)と同様に制服(標準服)や生徒規則(校則)などがあり、日常生活が通常の学校生活とほとんど違わないこともある。
通信制高校の学生生活を、独自に学習面・生活面・精神面等の多方向から支え、
無事卒業するまでを支援することを目的につくられた学校です。
1990年代には「補習校」とも呼ばれていたそうな。
現在は通信制高校に付属する形で設置されているサポート校も多いです。
しかし運営には学校教育法などの法的根拠はありません。
開設するための許認可も必要ないです。
正に「自由」です。
そのため、サポート校のみの在籍実績では高卒資格を得られないどころか
学生とすら見なされません。
通信制高校同時在籍は必須です。
また普段はサポート校で勉強していても、単位取得に必要なテストやスクーリングは
通信制高校に登校し受ける必要があります。
そんなサポート校の魅力は何かと言いますと
たくさんの学校があり、それに合わせて多種多様な特色があるというころです。
現在は、eスポーツコースや声優コース、プロスポーツ選手育成を目指すコースなんてのもあります。
資格取得をサポートしたり、障がいを持つお子さん向けにSSTを授業に組み込んでいる学校もあります。
しっかりと探せばニーズに合ったものを見つけることができるでしょう。
楽しい学生生活を送れるかもしれない、やる気を見出せるかもしれない、夢に向かって頑張れるかもしれない、同じような悩みを持つ仲間に出会い共に支え合えるかもしれない・・・・
様々な可能性を秘めている。
それがサポート校です。
技能連携校とは
サポート校との違いが分かりにくい、そもそも技能連携校って何なのさ?
という疑問をお持ちの方も多いと思います。
簡単に言うと技能連携校とは、学校教育法に基づき教育委員会や都道府県知事よりより指定を受けた高等専修学校です。
専修学校ですが通信制高校と連携している為、
入学した生徒は必然的に両者に同時在籍することになります。
それにより、卒業の暁には高等専修学校・高校卒業資格の両方を取得できます。
許認可が必要である為、その数自体はサポート校に比べて少ないです。
その特徴はズバリ
①テストやスクーリングの為に通信制高校に行かない代わりに、技能連携校での授業やテストをもって単位とすることができる
②卒業要件は普通科目74単位以上の取得ではなく、指定された「普通科目と職業教育の為の専門科目」の両方を取得すること
というところにあります。
つまり①「通信制高校に登校しなくても、技能連携校での授業やテストを受けることにより卒業に必要な単位を取得できる」こと、
②「専門科目を卒業必須単位の一部にすることができる=一般的な高校の学習(普通科目)だけでなく、その他の学習(専門科目)も実施される」
とも言えます。
技能連携校の専門科目とは、学校によって様々ですが
主に商業実務、社会福祉、調理、服飾、工業等があります。
教育委員会より指定を受けた学校である以上、自由度はサポート校より低めです。
芸能やスポーツ、ゲーム系等のコースなんてありません。
そして大体が原則週五日登校です。
そういう意味では「通信制故に技能連携校を選択する人」は少ないでしょう。
私は高校を卒業してから正看護師になる為の大学に入学し、卒業後看護師デビューをしたわけですが
同僚のなかには中学卒業後に普通高校には進学せずに看護系技能連携校(+通信制高校)に入り、高校生として国語や数学の授業を受ける傍ら看護の勉強や実習もこなし准看護師の資格を取得したという猛者もいました。
このように技能連携校は、実社会で戦力となる能力育成を目的とした機関でもあります。
そしてあまり大々的に宣伝していませんが、これらの学校の中には障がいや様々な困難を有するお子さんたちが
高校生としての学習は緩やかに進め、その分「社会に出る為の準備をする」ことを目標としている
と思われる学校が少なからず存在します。
体験・説明会に参加してみた
我が家から1時間圏内にある技能連携校の内、
障がいや困難を抱えるお子さんへのサポートを行っている学校は、把握している範囲で2校。
どちらも土曜を中心に体験会&説明会を開催しています。
折角だから1年生のうちにサクッと参加しておこうと思い
予約を取って行ってきました。
以下、先に行った学校をA校、後に行った学校をB校とします。
A校
駅から徒歩15分程度の閑静な住宅街の中にある学校です。
一般的な高校のような校舎。
グラウンドはありませんが敷地内に体育館があります。
入り口に到着すると数名の先生がビシッと立って待っていました。
その後私は説明会用の教室、1番っ子は体験会用の教室に案内されました。
説明会用の教室には私の他に7人の保護者が着席していました。
この人たちのお子さんも体験会の教室にいるのでしょう。
そして黒板の前にはパソコンとスライドを駆使して司会&説明役をする先生が立っていました。
この先生がまたすごい滑舌がよく、良い意味で語気も強めなんです。
お話のプロみたいな感じ。
ちょっとした内容でも説得力があり、説明も分かりやすい。
合間合間に、歯を見せてニカーっとよく笑います。
元気ハツラツ、眩しいです。
色々な困難を抱えている子たちに、日々こうやって指導力を発揮しているんだろうな~。
わ~、すご~い °˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
私は喋り下手だから、こういう人に憧れる!
この学校は一学年定員60名。
月・火・木・金は15時過ぎまで授業で、水曜だけ午前授業。
普通科目と商業科目をバランスよく組み込んだカリキュラム編成をしています。
また、月・火・木は放課後にクラブ活動もあります。
色々なクラブがあり、最大3つまで所属できるそうです。
その中には剣道もありました。
やった!!
「系列の高校は髪型・服装なども含めて個性や自由の尊重を重視していますが、当校だけは違います。
社会で求められる格好・行動を身につけられるように、とにかくルールには厳しいです」
と司会&説明役の先生はキッパリ仰っていました。
おぉ、「社会に出ていく為の準備校」として
学生生活レベルから介入するということですね。
とは言っても朝のHRは9:15から。
インクルージブ教育実践推進校や養護学校分教室と比べて、ゆっくり登校できます。
そして商業実務系技能連携校なので、商業科の授業もあります。
パソコンについて学んだりプレゼンの実践等をしてみたりするとのこと。
それとは別に、卒業後の進路選択の材料となる授業も設けてもいます。
こちらは「進学、WEBデザイン、美術デザイン、食品栄養、就職実習、自動車整備」の6コース。
「本物」を体験することによって
将来自分が本当にその道に進みたいと思うかどうかを考えてほしい、と。
どういった「本物」があるかと言うと、
例えば「自動車整備コース」用の教室に本物の自動車がありそうです。
「実際に油まみれになって整備体験をすることもあります」と、先生。
実際に経験して、その仕事に就くということがどういうことか、学んでほしいのだそうです。
ひょえーーーーーー。
実際に教室の車も拝見しましたが、コレどうやって入れたの?ってビックリでした
もちろん「就職実習コース」はインターンシップがあるし、「進学コース」では大学教授に来てもらって授業をしてもらうこともあるそうです。
本物と言えば「国際教育」にも力を入れており、海外にも実際に行くそうです。
そしてA校は、カリキュラムの他に人員構成にも特色がありました。
クラス担任の他に、生徒一人一人に「個別支援担当教諭」が付き、学生生活全般をサポートしてくれると共に、
更にそれとは別に複数人の臨床心理士が毎日常駐しているとのこと。
「ルールに厳しい」と言いながらも、生徒一人一人を支える体制も徹底しています。
感心するよりも先に
「人件費すごそう・・・・」と下世話なことを考えてしまう私。
まぁ、確かに学費もすごいです。
入学金を除いても年間120万円以上ですから。。。。。
ぬぉぉぉぉぉ(゜∀。)
しかし我が家は夫婦で副業をしているおかげで
借金返済をしながらも3年分の学費を払えるだけの貯金は既に貯まりました。
現在は2番っ子の教育費貯金に勤しんでいる最中です。
はぁ~、うちのお金って貯めても貯めても出て行く運命なのね・・・。
体験・説明会の後は個別相談の時間も設けられ、親子揃って別室に案内されました。
面談用の個室なのか、長机をはさんで
担当の先生と一対二で向かい合うように着席。
私は聞かれるままに1番っ子の現状についてお話ししました。
(幼児期に療育手帳取得済み。小学生時代から支援級在籍。現在は数学・理科以外は普通級の授業を受けているが成績はよろしくない、等)
担当の先生は、私が説明会に出席していた間に
別室で体験会に参加していた1番っ子の様子を教えてくれました。
体験会の場に居た教員には緊張した様子を見せながらも質問に答えようと頑張っていた、
一生懸命参加しようとしていた、と。
ほぉ、それはスゴイ。
「頑張ったね」と声を掛けましたが
いま私の横に入る本人は、私が話しかけても返事はなく・・・・。
別に喧嘩しているとか反抗心の表れとか、そんなんじゃないんですよ。
何故だかよく分からないし、いつからだったかははっきりと覚えていないんですけど
1番っ子は、日中は「家族がいると声が出ない子」になってしまいました。
でも学校ではしゃべっていると先生から情報を得ています。
しゃべらないと言っても完全に無視をすると言うわけではなく
こちらの質問に対しては分かりにくいジェスチャーや簡単な筆談で返事をしてくれます。
あれか?
場面緘黙?
普通、家族には話せるけどそれ以外の人とは話せないとかいうやつとちゃうのかい?
逆じゃんよ。
・・・・・まぁ、いいや。
夕方から普通に話しているし。
休みの日はいまも家族4人+愛犬で仲良くお出掛けしているし。
よう分からんな。
で、案の定、私が横にいるもんだから個別相談の席では
先生からの質問もジェスチャーで返そうとしていました。
しかし伝わらず困った様子の1番っ子。
筆談にすれば?
まったくもう!
こんな時くらい喋りなよー。
すみません。
この子、家族が横に居ると日中は喋らないんです。
学校ではそれなりに話しているらしいんですけど。
5年生くらいまではおしゃべりさんだったんですけどね。
年齢的なものなのか、特性によるものなのか、なにか理由があってのことなのかは分かりませんが・・・
先生は私の説明(言い訳?)を聞きながら
無言でジーーーーーーーーーーと1番っ子を見ていました。
1m前にいる人の何をそんなに凝視してるんだい?
なにかしらの特徴を1番っ子から得ようとしているのかしら?
でもただ見てるだけじゃ大して分からないと思うよ。
当の本人は表情変えずボーとしているから。
多分「まだ中1なのになんでまた高校の説明会に連れてこられたんだろ?そろそろ帰りたいなー」
くらいしか考えてない( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
なーんて思いながら、私もついつい黙ってその先生を見つめてしまいました。
障害児者相談支援の現場にいて、こんなにあからさまに対象児を凝視するのも珍しいと思ったので。
折角体験授業の場を設けて一緒に一時間くらい過ごして
いまもここで保護者と話ながら、その横で座っている1番っ子が居るわけで。
わざわざ向かい合って座って、無言&凝視しなくてもよくないかーい?
1分くらいして、私に視線を戻し話を再開した先生。
「大人になったときにお話できないままだったらと思うとちょっと心配ですね・・・
当校は挨拶も含めてしっかり指導していきますよ。
授業のなかでプレゼン等も行い、自分の言葉で伝える体験もします。
全ては社会に出るための練習です」
φ(・ω・*)フムフム...
そうですよねー。
中学校を卒業したら
社会に出るまでの期間は残り3年しかありません。
その間に、身に付けられるものは頑張ってゲットしようぜぃ!
というところでしょうか。
一般就労なり福祉的就労なり、どちらにせよ
「働く」という選択ならば、理解はあっても支援までは求められない場所に行くということ。
職員に支援を求められる「園児・児童・生徒」時代とは違います。
将来は支援のない場所に行くことを想定しているのでしょうか、
学年が上がれば、又は進学すればする程
手薄感を感じるようになっていきます。
軽度障がいを持つお子さんは、デイサービスを利用していても
ほとんどが小学校卒業を機に辞めます。
中学生以降、これまであった支えが
どんどん薄くなっていきます。
お子さんにはまだ
支えとなる親がそばにいるでしょう。
しかし親は孤独に戻っていきます。
これまでの結果を、これからの現実を
受け入れるべき時期に差し掛かるのです。
きっとA校は、その最後の時期に
もうひと踏ん張りさせようとしているのでしょう。
話を少しずらしますが、去年1番っ子は
「中学を卒業したら高層マンションで一人暮らしをしたい!」と言うことが度々ありました。
色々ツッコミどころはありますが、支援級担任の先生曰く
キャリアの授業で「自立」について学んだことで将来を意識したのでは?
とのことでした。
中学卒業したら一人暮らしとか高層マンションとかは現実離れしていますが
いずれは本当に親元を離れようとするかもしれません。
そうなることを予測して我が家では、とにかく日常の何気ない経験の積み重ねを重視してきました。
自分の朝食準備、使った食器の洗い物、自分の衣類の洗濯、愛犬の世話、学校関連の準備、風呂掃除、自分達が使う方のトイレの掃除(我が家は二つトイレがあります)、買い物etc....
2番っ子はお手伝いというかたちで時々やってくれますが、
1番っ子は「自分の役目」として担ってくれています。
その上で、夜は家でも勉強して。
学校生活もよく頑張っています。
それ以外はゲームと漫画とドラマに熱意を注いでいるけど(笑)
いいんです、よくやってくれているから。
だから最近は、どのタイミングで何をするのかも
ほとんどを本人の意思に任せています。
対価として得たお小遣いを何に使うかも口出しはしません。
この1年の間に、私は1番っ子の様子を見て
「我が家での主体性を渡そう」と決めました。
不器用で上手にできなくても、思い通りにいかなくても
家族の一員としてすごい頑張っていることは、もう十分に分かったから。
これからは自分の能力と責任と努力と自由を
バランスよくコントロールして、自分の考えでやっていくんだよ。
分からなかったり困ったりしたときは、いつでも相談してね!と。
しかし社会に出れば
もっと他の部分が見られ、評価されるでしょう。
「家ではよくやってくれています~♬」なんて、親からのこんな評価は
「甘い!」の一言で一刀両断されるかも(汗)。
「こんなんじゃ全然駄目!!」って怒られるかも(涙)。
ASDが色濃い1番っ子。
ASDは「認知の障がい」です。
そんな1番っ子とお出掛けするなかで
親として「家の外にあるルール」を教えることに難しさを感じることは
これまでに何度となくありました。
「自分の意思で生きていくということは主体性を持つということ。
主体性を持つということは自分の気持ちだけでなく
責任も、相手の気持ちも、そこにあるルールも
大切にしなければならないということ」
家庭と同様に社会のなかで、能力と責任と努力と気遣いと自由を
自分の考えで駆使していく。
主体性を持って社会生活を送る。
第三者による支援が手薄になっていくなかで
こんなことまで教えるなんて、私に出来るかな?!?!(汗)
そんな風に考えていたときに、A校の体験・説明会に参加できたことは幸運なのかもしれないと
このときは思っていました。
B校
翌々週に訪れたB校は 、A校と同様に商業実務系技能連携校です。
比較的大きな駅が最寄りの、繁華街の端にある学校です。
アクセス良好で通いやすそう!
しかし色々な意味で、A校とは真逆の学校でもありました。
まず校舎が学校っぽくない。
雑居という程ではないものの、小さなビルに近いものが・・・。
入り口の見た目は、予備校とか大手塾のような感じ。
「おはようございま~す」とドキドキしながら扉を開けてなかにはいると、
受付からにこやかに3人の先生が出てきて「おまちしておりました~」と出迎えてくれました。
挨拶を返す私の横でボケ~~~と突っ立ている1番っ子。
挨拶くらいして~~!!
ちなみに学校ではペコリと頭を下げたり小声で挨拶はしているようです。
まったくもう (´Д`)
そんな1番っ子を見ても、先生たちは変わらずニコニコしてくれていました。
A校が最初からビシッとキメてきたのに対して、B校はほのぼの系のようです。
今回の体験・説明会は私たち親子だけとのこと。
というのも合同ではなく、1時間単位で個別に行っているらしいのです。
見た感じでは、この1階をメインフロアとして
3学年みんなで学生生活を送っているようでした。
教室はなく、パーテンションで区切って各々の学習スペースを作っています。
生徒たちが制服を着ていなければ、パッと見で
ここを高校生活の場だと判断することは難しいかもしれません。
一学年定員20名。
広さを見ても多くの生徒を受け入れるだけのキャパはないのでしょう。
A校とは違い、年度途中の転入学受け入れもしていないとのこと。
原則週五日登校の全日制ですが
病気や障がい、不安等からそれが難しい場合は
「ゆくゆくは週五日登校する」気持ちの上で週1日登校からスタートでもOKという考えの学校です。
この点について「他の子から『あの子はズルい』という意見が出ても、ひとそれぞれ辛さは違うんだよと説明しています」と先生は仰っていました。
室内を見回すと、パーテーションには生徒さんが制作した作品が沢山掲示されていました。
全体的にこじんまりしながらも
「安心感を重視したアットホームな雰囲気で満たされる」
そんな場所でした。
先ず私と1番っ子はパソコンがあるスペースに案内されました。
そういえば、パソコン授業の体験会を申し込んでいたのです。
なぜか「お母さまも一緒に」と2台のパソコンが用意されていました。
その流れで私も1番っ子と並んでデザインソフトの使い方を教わりました。
先生の指示に合わせてアレヤコレヤやっていたのですが・・・。
いや~、いまのコンピューター技術ってすご~いですね!
普段デザインソフトなんて使わないから知らなかった。
なんて便利なんでしょう!
パソコン画面に向かって思わず感心&ワクワクしてしまう私。
そんな母を尻目に私よりも早く、より綺麗なデザインを黙々と完成させていく1番っ子。
ムム、やるな。
っていうか私何しに来たんだっけ???
そう思っていたら、もう一人の先生がやって来て私に声を掛けました。
「大丈夫そうなので、お母さまだけあちらでお話をしましょう」
大丈夫そう?
挨拶もちゃんとしないし、デザインソフトの使い方を教えてくれる先生の声掛けにもウントモスントモ返答しないんですけど(汗)。
まぁ、私が居ない方がもう少しましな反応を見せるかもしれないし
先生が「大丈夫」と言うならいっか。
私はそのまま、パーテーションの向こう側の奥のスペースに案内され
学習用の席に先生と1対1で向かい合って座りました。
先生からはA校と同様の質問をされました。
- 障害の有無、診断や判定は受けているのか
- いつ判明したのか
- 支援級在籍か、通級利用か、それとも普通級一本できたのか
- 学校は通えているのか
- 学習参加状況はどのようなものなのか
それぞれに答えた後にパンフレットを手渡され、それに沿ってB校の紹介をしていただきました。
卒業資格を取得するためには
通信制高校の普通科目45単位とB校の商業科目30単位、
合計75単位を3年生修了までに取得することが条件だそうです。
朝のHRは8:55から。
月・火・金は15:30前までの6時間授業、水は14:30までの5時間授業、木曜は5時間授業で6時間目の時間帯にクラブ活動があるそうです。
クラブは週1回ということもあり、種類は多くありません。
そして剣道はありませんでした(残念)。
学校独自の体育館やグラウンドはないので、体育の授業はありません。
その分みんなで体幹トレーニングやストレッチをしたり、近所の公共のグラウンドや施設を借りてレクレーションやクラブ活動をしたり、
レンタル畑にこまめに通って野菜の栽培から収穫までしたりと、ちょくちょく身体を動かしているそうです。
「今年の夏は野菜が育ちすぎて大変でした~」と苦笑いする先生。
説明を聞く限りでは、希望進路に合わせたコース分けはしていないようです。
ビジネス基礎や経済活動、販売や就労、PC技術等に関した授業は
毎日のように何かしらあります。
そのなかには就労のシミュレーションや模擬体験、ロールプレイング、職場体験、実習等が組み込まれています。
とは言っても、卒業後は一般就労を希望する生徒もいれば福祉的就労を選ぶ生徒もいるし
進学を考える生徒もいます。
個々の状況を踏まえ、それに合わせた授業を行っていくとのことでした。
先生の説明を聞いている間に、体験会の方は終わっていたようです。
1番っ子が私たちの方にフラフラ~とやって来ました。
それに気付いた先生は
「そばに座っててもいいし、掲示物をゆっくり見ていてもいいし、本棚にある漫画を読んでいてもいいよ」と声を掛けてくれました。
それに応えるように掲示物をぐるっと見回して、その後は漫画本を手にして読み始める1番っ子。
もうちょっと待っていてね。
先生はその後も、遠足や行事の話、こじんまりとした学校なので今年度はコロナ禍で難しいこともあったと色々と話してくれました。
そんななか、説明を聞いている途中でふと気づきました。
3色ボールペンとパンフレットが収まる大きさの小さな布バックを書類一式と一緒に渡されていたことに。
「これはプレゼントです。持ち帰って下さい」と。
ボールペンにはシンプルな英語表記の学校名が、バックにはそれプラス可愛らしいデザインが描かれていました。
「実はコレ、うちの生徒たちが話し合って作ったんです。デザインも発注も全て本人たちでしたんですよ。途中困っていたら教員がアドバイスしたりはしましたけどね」
笑って先生はそう教えてくれました。
これも授業の一環です、と。
それを手にして、なんだかジ~~~~ンとしてしまいました。
出来上がるまで、みんなで一生懸命考えたんだろうなぁ・・・
パンフレットを何ページか捲ると
小さな文字で以下の文章が書かれていました。
まずは生徒が学ぶ態勢を整えることをサポートし、その後あらゆる場面で「できる」状況を作り出し、自然の流れの中で「褒める」回数を増やし、自信をつけ、自己肯定に繋げる指導を心がけています。(コンプリメントシャワーを取り入れた指導方法を実践しています)そこから自ら動き出すように促します。教員や保護者にやらされるのではなく自分の意思で一歩踏み出すことが生徒さん本人にとっての実績となり、それを「褒める」ことで自信となり次の一歩に繋がります。
これは、最近私がこのブログで推している
「子どもが主体性を身につける為の大人主導の関り」そのものです。
すなわち
①学ぶ姿勢を経験から形成し
②お子さんが「やってみよう」「これならできる」と思える経験学習を設定し
③努力する過程やできたことを褒めることで
④自分を信じ、「自分でできる」と感じれることを増やし
⑤自分の考えで、自分の足で前へ踏み出しゆっくり歩いて行く
お子さんが学ぶ気持ちになるまで待つのではなく
出来ること・取り組めるものは何かを大人はしっかりと見定める。
そしてそれに「取り組む経験」をする場を
大人主導で設定し、その過程の中で褒めて認める。
お子さんの気分や希望に合わせてばかりの対応は「服従」です。
服従しながらお子さんの振る舞いや成果をその時々で称えても
それは「褒める」ではなく「おだてる」でしかない。
「おだてる」はその場しのぎの対応です。
だからその先の目的や方向性を示すことはできません。
大人に対して自分が主導権を握り、おだてられる経験を重ねてきたお子さんは
進むべき方向性が分からず、心が迷子になりがちです。
最近相談支援の現場では、はっきりした障がいの有無は分からないものの
このような困り事に関する案件が増えてきています。
本来主導権を持ち、自分の考えで、自分の足で前へ踏み出し歩いて行くようになるには
先に「大人に教わりながら学び、経験し、認められ、自分を信じる」ことの繰り返しが必要なのですが。
パンフレットの文章には以下の言葉が続いていました。
引っ張り上げるのではなく、生徒本人が一歩踏み出そうとしているその背中をそっと押すようなイメージです。
この学校は「社会の中で主体的に生きていく気持ち」そのものを育てようとしているのかもしれません。
ふと気が付くと、漫画を読み終えた1番っ子が
私の後ろを横切って部屋の奥の扉を勝手に開けていました。
ちょっと!
勝手に部屋のドアを開けないの!
注意する私の後に、先生は
「あ、トイレ?スリッパに履き替えてね」と声を掛けていました。
トイレに行きたかったの?そっかそっか。
その扉がトイレの入り口だってよく分かったね。
っていうか教えてもらったんだからお礼くらい伝えなさいよ!!
内心、呆れと恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいになりました。
そしてA校で話したことをこちらの先生にも伝えました。
すみません。
この子、家族が横に居ると日中は喋らないんです。
学校ではそれなりに話しているらしいんですけど。
5年生くらいまではおしゃべりさんだったんですけどね。
年齢的なものなのか、特性によるものなのか、なにか理由があってのことなのかは分かりませんが・・・
(それはやっぱりダメだよね。ちゃんとしないといけないよね)
これに対してB校はどう指導するか、きっと先生は答えるだろうと思って。
私の、説明なんだか言い訳なんだか分からない話を聞いて
先生は「あぁ」と頷きました。
1番っ子さんは確かにWISCとかの点数は低いかもしれませんが、
様子を見た限りでは全体的な能力は高いように思います。
普段の家族関係も良好じゃないですか?
ここまでよく頑張ってきたんだって、見ていて分かりました。
いまは無理に喋らせようとしなくても大丈夫ですよ。
1番っ子さんの心が癒えるまで待ちましょう。
私は、1番っ子が家でどのように過ごしているかとかはほとんど話していませんでした。
これまでの対人トラブルも。
この先生は、私とずっと向かい合ってB校の説明をしていたはず。
1番っ子の様子を観察する場は設けていません。
見ていたとしたら、
①一時間前に到着して挨拶をしたときと
②二人並んでパソコンをいじっていた10分間
③そして隅の方で説明が終わるまで待っている1番っ子の様子だけのはず。
おっと。。。。
ちっとも気づきませんでした。
何気ないその様子から、情報を収集しアセスメントされていたことに。
どうやらその表情とは別に、「観察する目」をお持ちのようですね。
B校はA校と違って、ネット上での口コミ評価は何もない学校でした。
A校は卒業生や保護者から色々な書き込みがあるのとは対照的に
B校は小規模校だからか、珍しいくらいどこにも載っていません。
ほぼ同時期に設立されたはずなのに、ほとんど情報がなくて
どんな学校なのか事前に予想すらできなかったのに・・・。
なんと
これはこれは・・・。
まだまだ分かりませんが、B校は「非常に気になる」学校です。
どっちがいい?
いや~、どっちも魅力的ですよ。
ちなみにB校の学費は年間100万いかない程度です。
おぉ、A校よりは安いじゃ~ん!
3年分で考えると100万くらい差がある~。
お・と・く~~~~♬
なんてなるかーーーーい!!
私立の技能連携校って高いなオイ!!!
公立インクルージブ教育推進高校と養護学校分教室の学費と天秤にかけたら
そりゃあもう
ぐはぁぁぁ Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)
ってやつですよ。
いや、それでも本人が望めば学費くらい私立だろうとなんだろうと出しますよ。
問題は「当の本人が何処を希望するか」が全く分からない・予想すらできないという現状です。
聞いても無表情で「・・・・・・」。
日中だから答えないのかな?と夜も聞いても
やっぱり無表情で「・・・・・・」。
寝てるのか?
瞼に目でも書いているのか?
主体的な社会生活を獲得するためにも我が子には是非
自分で選んだ学校に進学してほしいところですが。
1番っ子にはもう少し考える時間が必要なのかもしれません。
まとめ
中学校卒業まであと2年。
1年後には志願の準備を始めていることでしょう。
のんびりはしていられません。
これからの1年は実際の授業・行事の見学や参加を通して
どこに的を絞るか、さらに一緒に考えていく必要がありそうです。
今回のお話はここまでです。
今日も読んで頂きありがとうございました☆