パソコン、スマホ、タブレット、様々なゲーム機。
現代の子ども達の周囲には魅力的なものが溢れています。
これらが絶対的に悪いものというわけではありません。
しかしこんなにも楽しいものが身近にあると
外で遊ぶ機会も少なくなってしまうのは当然であり、それはとても残念なことです。
日常的に長時間ゲームや動画視聴をすることにより生じる「様々な問題」
室内で長時間ゲームをしたり動画を観て過ごすことが遊びとして日常的になると
当然、様々な弊害が出てきます。
セロトニンの分泌が減少することにより
感情のコントロールが難しくなったり、不安を感じることが多くなったり、他のことでの集中力が低くなったり、漠然と無気力になったり、良好な人間関係を築きにくなったり・・・。
これらについては今後機会があれば詳しく解説しますが
このような弊害が出てきてしまうと、ゲーム・動画がない日常場面は
お子さん自身にとっては苦痛で我慢ならないものになるでしょうね。
知的・発達障害を持つお子さんはゲームや動画にのめり込みやすいとよく言われます(こちらの理由も別の機会で書きたいと思います)。
私の本業でも、家にいるとゲームばかりしているから「ゲームから引き離すため」に放課後等デイサービスで過ごさせたいという希望で相談にやって来る親御さんや
同様に「DVDやタブレット・パソコンから離れる時間を作りたい」という理由で福祉サービスを利用するお子さんが結構います。
障害程度が重度のお子さんでも好きな動画の見方や機械の操作方法は結構しっかりと覚えられるんですよね。
出来ることが増えたり、安心して過ごす時間が増えるということは良いことでもあります。
しかし、そればかりだと弊害もその分膨らんでしまいます。
知的・発達障害を持つお子さんが「様々な問題」を回避するためには
しかし、いきなりゲームや動画鑑賞を禁止したりできないようにしてしまうと
パニックに陥ったり、どうやって過ごせばいいか分からなくなりして
余計に日常生活に支障をきたしてしまうかもしれません。
そうならないようにするためにも少しずつゲームや動画鑑賞の時間を減らしていくようにしましょう。
ではどのように減らしていけば良いのでしょうか。
一番手っ取り早いのは、物理的にゲーム機や動画を観ることができる機械から離れてしまうことです。
そうです!
それらが可能な機械を持たず、または触れられない状況にして家の外に出てしまえばいいのです。
親御さんのスマホを「貸して!」と言われても
「これはお母さんのだからおもちゃではありません」と答えましょう。
買い物に行くもよし、ドライブに行くもよし・・・。でもここでおすすめするのはお散歩です!
「なぜお散歩?」と思う人がいるかもしれません。
実はお散歩には様々な効果があり、それにより知的・発達障害を持つお子さんにも良い影響が期待できるのです。
お散歩に期待できる知的・発達障害への好影響はこちら!
ゲームや動画画面などから長時間離れることができる
散歩は身体への負担や疲労感が少ない運動です。
それにより長時間の実施が可能です。
そのため多くの時間を割くことが出来、その分だけゲームなどから離れる機会を得ることができます。
運動不足解消
お散歩は全身運動です。
毎日同じような姿勢をすることによりカチコチに凝り固まった身体を緩やかにほぐしてくれます。
身体的負担は少ないですがダイエットにも有効です。
身体のリフレッシュ効果も十分に期待できます。
気持ちが穏やかになる
一定のリズムで運動をすると、気持ちを落ち着かせる効果がある脳内物質セロトニンが多く分泌されます。
散歩は一定の歩調で長時間歩き続けますのでたくさんのセロトニン分泌が期待できます。
そのため散歩後は気持ちが落ち着きやすいです。
これによりイライラや不安が生じにくくなる効果も期待できます。
一緒にいる人と行動を合わせる経験を積む
共に歩調を合わせ「一緒に」歩く、同じ方向に向かって「一緒に」進むのです。
そしてその過程では必ず何らかのコミュニケーションが生じます。
何かを一緒に誰かとする経験は社会生活の中で必ずするものです。
このようなことは、ゲームや動画鑑賞ではできません。
これから生きていく上で、人に合わせて行動をするという練習は必ずやお子さんの為になるでしょう。
複数の感覚刺激を味わうこと出来る
散歩は、土・草・石を踏みしめてその上を歩き、鳥のさえずりや木々が揺れる音を聞き、太陽の光や風を身体で感じ、自然のにおいを嗅ぎ、空・植物・建物・動物・水などたくさんの色がある様々な景色を観ることができます。
そこには機械の画面を通して感じる以上の様々な刺激があるでしょう。
その刺激は過度に興奮するものや漠然とした不安を感じさせるものではなく、ごく当たり前の心地よさを与えてくれます。
この心地よさの中でお散歩をすることによって、複数の刺激に同時にさらされても平静でいられる経験を積み、また健全な心身を育むことができます。
思考力・集中力がアップする
前述しましたが、散歩も立派な全身運動です。
開始すると緩やかに心拍数が上がり、血液循環がよくなります。
それにより脳へ送られる血液量も増え、脳の働きもよくなります。
その結果、思考力・集中力が向上するとも言われています。
ストレス解消
脳へ送られる血液量が増加し思考力が上がることにより、リフレッシュ効果も期待できます。
日々のストレス解消にも一役買ってくれるんですね。
毎日必ずしなくてはならないというわけではありません
どれも長時間に及ぶゲームや動画視聴による弊害と真逆の効果ですね。
しかしこの効果を期待して、毎日忙しい中でも疲れた体を押して無理にお散歩をする必要はありません。
苦痛を感じてしまうような状況では良い効果は期待できません。
辛さを感じない程度に、そして楽しめるように、日々の暮らしの中にさりげなく組み込んでいただければと思います。